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コラム01:ゼロ

「内海はるか」が生まれたのは2013年の2月の終わり。私の嫁の「飯田みなみ」が撮影会の世界を教えてくれたのがきっかけだ。(みんなが思っている以上に飯田と内海の関係は長くて深いのでそれについてはいつかの機会にじっくり語ろうと思う。)


撮影自体は、メイド時代やコスプレイヤー時代にしていたので抵抗は特になかった。ただ、今まで携わってきた撮影のジャンルとは違うものだったので自分が被写体としてどうすればいいのかわからなくて、それだけがただ不安だった。そんな中で何を考えて撮影されていたか思い返してみると「私がカメラマンさんに慣れること」だったと思う。この人に早く慣れて、私の心を開かないと、どんなに綺麗に撮ってもらったって良い写真なんて生まれない。そう思っていた。というのも、私が女の子を撮影していたときに撮影者としてそう思っていたからだ。どんなに可愛い女の子を撮っても、その笑顔が生きていなかったら可愛くない。だから、女の子を撮るときはたくさん話をしながらシャッターを切り、まずはカメラに慣れてもらい、私にも慣れてもらい、心を開いてもらうよう心がけていた。そんな経験があったので、私が被写体のときは心を全開にして「生きてる私」にならないとダメ!と、自分が自分のままでいられるよう、好きなように動いてリラックスできるように頑張っていた。おかげさまでカメラマンさんには「フレームから急に消える」「走り回ってるから追いかけるのが大変」や「ピントクラッシャー」と言われていたらしい。今はだいぶ落ち着いたと思っている、よ。それでも、みんな撮りに来てくれてたんだからドエムだよね。(笑)

 

コラム挿絵01

 

そんな感じで好きなようにしていても、こうして内海を続けられているから撮影のスタンスはそれほど間違ってなかったんだと思う。もちろんこういうスタンスが合わないなと感じた人もいると思う。それは仕方のないことだ。人間だもん。好き嫌いあるよ。私もあるもん。そして、いつからか撮影中に考えるようになったことが「慣れること」から「信頼すること」に変わった。たくさんの人に撮ってもらって、たくさんの作品の内海を見たけれど、どの私も可愛くて綺麗なの。本当にカメラマンさんには恵まれていたと心の底から思う。みんな写真うますぎる。だから、自分に自信もついてきたんだと思う。「わたし、美しい・・・」ってね。(笑)この人になら、こんな私を見せても大丈夫、っていう信頼とどんな私でも魅力的だから大丈夫、っていう自信。相手を知らないと、信頼することはできない。だから、撮影中この人はどんな私が好きなんだろうとか、どんな私を求めてるんだろうとかを探る。この人の好きなものが私にあればいいなぁとも考えるし、求めてるものを私がもっていなかったとしても色んな私のどれか一つを好きになってほしいなぁなんて思ったり。相手のチャンネルに探って合わせるのも楽しいし、私のワガママを撮ってもらうのも楽しい。そうして相手のことが少しずつわかってくると、どんな風に自分が撮られるのかイメージが湧いててくる。あとは、そのイメージを信じて自分の好きなように動くだけ。その駆け引きが本当に面白いから撮影はやめられない。

 

だから、写真はコミュニケーションだと思ってる。カメラマンさんと被写体の二人の間には何もないはずなのに、撮影の中で色んなものが生まれるの。そして、それが写真として残るの。楽しすぎるよね。だから撮影は毎回わくわくしてしまう。この人はどんな私を見つけてくれるんだろう?って。でも一方でプレッシャーも感じている。それは、自分だけが楽しくても意味がないから。私が楽しんでる以上にカメラマンさんには楽しんでもらわなくちゃいけない。結局、自己満足につながってしまうんだけど被写体である私がが心を開いて「生きた私」にならなければいけないようにカメラマンさんも「生きたカメラ」にならなければいけない。じゃないと「生きた写真」にならない。どうせ残すなら、私は「生きた写真」を残したい。ポートレートや、グラビアや、テーマ撮り(作品撮り)なんかだと目指す作品の結果が違うから何を一番に考えて撮られるかが変わってくることもあるけれど、根本的なところにある「写真はコミュニケーション」だってことは変わらない。

 

挿絵02

 

出会いの数だけ0が増えて、シャッターを切るたびに1が増えていく。私の1も、撮る人によっては違う1に見えるのかもしれない。私はそれを知りたい。まだ1にカウントされていない私の0を見つけて1をたててほしい。私の領域を増やして、一緒に0を1に作りあげてみたい。こうして考えてみると0は無限大でたくさんのスタートに囲まれているみたいだ。たくさんのスタートとたくさんのゴールを繰り返して、私は成長し続けたい。被写体には寿命があるから今しかない。だからこそ、今を全力で楽しんで残したい。0を探し続けていきたい。(内海はるか)

 

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